夏の季語でもある金魚は、浴衣の柄の他に、いろいろなアイテムにも使われる最も身近な観賞魚ではないでしょうか。
でも金魚の種類については?・・・出目金くらいしか知らないと言う方もいるかもしれませんね。
今回この記事では、金魚の中でもポピュラーな存在である『琉金(りゅうきん)』についてご紹介します。
金魚とは?
中国が原産で、赤い体色が主体の種が多い、淡水性の観賞魚。
≪金魚の祖先はフナ≫
金魚の発祥は今から1600年も前の中国にて。
通常は黒に近い体色のフナ(鮒)ですが、突然変異によって体色の赤いフナ、緋鮒(ヒブナ)が発見されて、人の手によって飼育、交配されたのが始まりと言われています。
金魚の種類、琉金(りゅうきん)とは?!
金魚の存在は日本でも鎌倉時代から知られていたとされ、金魚そのものが中国から日本に伝来したのは室町時代と言われています。
しかし当時は飼育や繁殖についての知識が伝わってこなかったようで定着はしなかったものの、江戸時代には日本でも金魚の養殖が始まったそうです。
室町時代に日本にやってきた金魚は、後に「和金(わきん)」と名付けられます。
≪和金の次に日本にやってきた金魚≫
琉金は、徳川の時代、1772~1788年(安永、天明年間)に中国から琉球(昔の沖縄)を経由して薩摩に入ってきました。
琉金の「琉(りゅう)」の漢字は、琉球の琉が使われています。
≪和金との大きな違いは体型≫
先に日本に入ってきていた和金と、後からやってきた琉金の大きな違いは体型にあります。
和金は基本、フナ型の細長い体型で各ひれも短いですが、琉金の体型は、丸くて短く各ひれも長めという特徴があります。
体色は、どちらも赤、赤白のまだらなどですが現在では体色、ひれ、様々な和金、琉金が存在します。
≪明治以降に出目金、頂天眼が来日≫
その名の通りの特徴を持ち、見た目が目立つ「出目金(でめきん)」は、歴史の古い和金、琉金よりも知名度の高い金魚でしょう。
出目金は明治28年(1895)に日本にやってきました。
その次に、頂天眼(ちょうてんがん)という目が真上を向いてひれの無い金魚が、明治36年(1903)に日本にやってきました。
まとめ
室町時代にやってきた和金、江戸時代に日本にやってきた琉金、どちらも丈夫で飼育のしやすい金魚です。
これらの品種は日本で交配を重ねられ、新たに「土佐金(とさきん、琉金の突然変異種)」「地金(ジキン、和金の突然変異種)」「和唐内(わとうない、和金と琉金の交配種)」など新たな品種が作られています。