金魚に限らず、あらゆる淡水魚の病気の原因となるエロモナス菌。
金魚は小さな生き物ですので、一度病気になってしまうと治療が長引き、最悪の場合亡くなってしまうこともあります。
その中でもエロモナス菌による病気は厄介で、完治が難しいものもあります。
エロモナス菌とはどういったものなのでしょうか?
エロモナス菌から金魚を守るための対策も紹介します。
エロモナス菌とは?
エロモナス菌は淡水に常在している細菌で、28度前後で活性化します。
夏から秋にかけての季節に増殖するため、病気になりやすい時期でもあります。
赤斑病、松かさ病の原因となるエロモナス・ハイドロフィラ菌は5度~40度の水温でも生存可能であり、高い適応力が特徴です。
健康体であれば発症することはありませんので、金魚の体力が落ちているときに感染しやすいといえます。
ちなみに、この菌は稀に人間にも感染することがあり、発症すると重篤化する危険性が高いのです。
エロモナス菌による病気
エロモナス菌が原因とされる病気は複数ありますので、代表的なものを紹介します。
治療は魚専用の薬を使用するのが一般的です。
【赤斑病】
腹部やヒレが赤くなります。
初期であれば淡いピンク色に見えますので、このときに治療を開始できると回復の見込みがあります。
重症化するとはっきりと赤くなり、ヒレの先が壊疽し始め尾ぐされ病に似た症状が現れます。
【松かさ病】
鱗が松ぼっくりのように逆立った状態になります。
悪化すると腹部に水が溜まって膨らみ、食欲が衰退し、眼球が突出する症状もみられます。
エロモナス菌以外の菌も作用しているとする説もあります。
【穴あき病】
非定型エロモナスサルモニシダ菌による感染症で、最初は鱗1枚程度の小さな範囲で充血がみられます。
この段階で治療を開始できるとよいでしょう。
次第に充血の範囲が広がり、鱗がはがれ筋肉が露出します。
この状態が穴があいたように見えるため穴あき病と呼ばれています。
この菌は比較的低温を好むため、春と秋の発症が多いです。
金魚を病気から守ろう
エロモナス菌は常在菌ですので、これを排除することは残念ながらできません。
ですが、健康体であれば問題なく過ごすことができますので、金魚の体力が落ちたり弱ったりする原因を取り除いてあげましょう。
病気を予防する基本は、水槽内を清潔に保つことです。
定期的な掃除に加え、半年に1回は大掃除をしましょう。
水槽の内側や砂利、飼育用の器具も洗います。
水質を維持するため、水換えは月1、2回程度行います。
これらの作業中気を付けたいのは、金魚にストレスを与えないことです。
温度の急激な変化は避け、別の容器に移すときは傷つけないよう丁寧に扱いましょう。
餌の与えすぎは金魚の消化不良と水質の悪化を招きますので、目安として5分以内で食べきれる量かどうか見直しましょう。
何よりも重要なのは、日頃の観察、健康チェックです。
初期症状を察知できれば、治療の効果も期待できます。
少しでもいつもと違うと感じたら、すぐに対処をすることで命の危機から守ることができます。
まとめ
エロモナス菌は厄介な病気を引き起こす原因とされ、いくつかの病気が複合的に発症する場合もあります。
金魚の命を守るのは飼い主の責任でもありますので、予防するための対策は必ず行いましょう。