水槽に生えたコケをついばむ姿はよく見られると思います。
「こんなものまで食べるのか」とちょっとびっくりしてしまいそうな光景ですがコケは金魚にとって、とてもいい食べ物なのです。
コケの思わぬ効果から、丸ものの金魚には与えてほしい餌でもあります!
今回は、コケの餌としての利点と繁殖させる方法についてご紹介します。
餌としてのコケ
コケは植物ですので、植物の栄養素を多く取り入れることができます。
金魚の祖先であるフナも石などに付着したコケや微生物を削り取って食べるため、金魚も同じ行動をしたところでおかしくはありませんよね。
コケにはミネラルやβカロテンといった栄養が豊富に含まれており、色揚げ効果(体色が美しくなる)があると一般的に言われています。
また、コケには整腸作用があるため、消化不良を防ぐために一役買ってくれます。
消化不良は転覆病を引き起こす原因になるため、ピンポンパールや、らんちゅうといった丸ものの金魚にとっては、特に防いでおきたいことの一つです。
コケにも茶色や青のコケがあると思いますが、茶色のコケよりも青々とした緑コケの方に有効成分が多く含まれています。
金魚がコケをつつきにくるのは理に適っていることが、おわかり頂けたと思います。
コケの作り方
コケが金魚の餌として適しているのはわかったけど、水槽がコケまみれになるのはちょっと勘弁して欲しいという場合は、別容器で繁殖させてみてはどうでしょうか?
水槽で爆発的に増えるように、コケを育てるのは難しいことではありません。
水槽の水を別容器にうつし、日光の当たる屋外で放置しておくとコケが生えてきます。
コケは水草を入れておいた方が断然速く成長します。
緑色のコケは、硝酸塩を多く含む水の方ができやすいと言われています。
硝酸塩はバクテリアによる濾過でアンモニア→亜硝酸→硝酸塩と分解されたものです。
水槽立ち上げ後の通常の水換えは、この硝酸塩の量を減らすために行うため、水換え時に抜いた水を混ぜてコケを作ることをおすすめします。
発生したコケを夜に外で放置しておくと、赤虫などの幼虫が孵化します。
赤虫は冷凍餌としても売られている程栄養満点で色揚げ効果も期待できる、金魚を始めとした水生生物のごちそうです!
コケを育てることで、新鮮で栄養たっぷりな餌を与えられるのは嬉しいですね。
まとめ
今回はコケの効果と作り方についてまとめてみました。
水槽を美しく保つには天敵のコケですが、実は栄養満点で金魚にとってはいいものだということがわかりました。
特にピンポンパールや中国原産のらんちゅう、和蘭獅子頭など特に転覆病にかかりやすいとされている金魚には積極的に食べさせてあげて欲しいです。
転覆病には水温を高めに設定しておくことも有効なため、水温と共にコケを与えることを予防策として、考えてみてはいかがでしょうか?