和金は環境の変化には強い部類に入る魚ですが、飼育をしていると自然界とは違っていろいろな病気になりやすくなります。
その病気の中には注意をしなければ重症化してしまい、とても危険な状態になってしまうものも少なくありません。
和金に限らず生物を飼育する方はできる限り長く飼育をしたいと考えるでしょうから、和金の病気についても知識を持っていて、いざという時の対応に役立てて下さい。
和金で特に注意が必要な病気
和金を飼育する上で発症すると治りにくく、重症化するととても危険な病気は尾腐れ病、白点病、転覆病、風船病です。
- 尾腐れ病
細菌に感染して尾びれを含む全てのひれの先端が白くなっていき、重症化すると尾の膜部分が腐ったように朽ちていって、出血をしてしまう病気です。
- 白点病
寄生虫が上皮組織内に入り込んで発症するため、薬剤が効きにくく、治療が困難な病気です。
症状は最初は尾びれや体表に白い斑点が現れ、それが重症化すると体全体に広がっていって、エラにまで広がると呼吸困難になってしまいます。
- 転覆病
原因不明な病気であり、この名前の通りに和金がお腹を上にした状態から戻れなくなって、そのまま水面まで浮上してお腹がに空気に触れてしまうと、お腹が人間でいうやけどのように爛れるだけでなく、呼吸もできなくなってしまいます。
- 風船病
細菌が感染して発症する病気で、皮膚に風船上の水泡ができて、その水泡が血液で満たされることもあります。
とても治りにくく、重症化しやすい病気でもあります。
これらの病気は飼い主さんが観察すれば発見できる外形的な変化を起こしますので、このような変化を見つけたら決定的な対策はありませんが、抵抗力を高めるために薬浴をさせたり、水質や水温を改善するといった方法を行って下さい。
病気の対処法で和金に負担をかけるもの
和金の病気には原因と対処法が分かっていても、その治療を行うと和金に影響を与えてしまう病気があります。
それはイカリムシ症、チョウ症、水カビ病、運動性エロモナス敗血症です。
- イカリムシ症・チョウ症
大きめの寄生虫が取りつくことで起きる病気です。
その治療法は寄生虫を直接ピンセットなどで取り去ればいいのですが、この寄生虫は口を和金の体内に差し込んで体液や血液を吸い取るので、取り去る時に和金の体を傷つける可能性があります。
- 水カビ病
水槽の常在菌である水カビが異常増殖して、その菌が和金の体にも付着して増殖するために細胞膜の浸透圧調整機能が破壊されてしまいます。
水槽に塩を入れて長期間飼育してやれば浸透圧の調整に寄与してくれますが、和金は淡水魚なので長期間の塩水での飼育は苦痛を伴います。
- 運動性エロモナス敗血症
和金の常在菌である細菌が原因であり、この細菌が和金の体力や抵抗力が落ちたときに皮膚や鱗に皮下出血を起こす病気で、長期間の薬浴が必要になってきます。
薬や塩を使った治療法は和金ではよく行われますが、どちらも通常とは違う飼育環境で生育させることになるので、和金には体調だけでなくストレスも与えてしまいます。
原因が水質の悪化と和金の体調不良なので、水は頻繁にきれいにするようにして、体調管理もしっかりと行うことで予防して下さい。
見た目が良くないが症状が軽い病気
和金の病気には見た目がとても酷いにも関わらず、病気そのものはそれほど酷くない病気があります。
それは松かさ病、穴あき病、運動性エロモナス病です。
- 松かさ病
細菌に感染して体表の艶が失われていき、酷くなると鱗が逆立って松ぼっくりのような体形になってしまいます。
- 穴あき病
細菌に感染してそれが増殖すると鱗が剥落し、皮膚が剥がれ、最悪の状態になると筋肉まで見えてしまいます。
見た目が一番酷いので飼い主さんは慌てるでしょうが、専用の薬剤があってそれを使えば治るので、適切な処置をすれば完治する病気です。
- 運動性エロモナス病
運動性エロモナス敗血症と同じ細菌が取り付いて発症する病気ですが、敗血症のように皮膚や鱗に出血が見られることがなく、鱗が逆立って松かさ病と似たような状態になります。
和金の病気はほとんどが寄生虫か細菌が付着して引き起こしていて、これは飼育という水槽で生育させていれば起きてしまうことであり、ならないようにするには飼い主さんの努力しかありません。
まとめ
病気は放っておいても自然治癒することもあり、特に原種に近い種類で丈夫な和金では自然治癒する病気も少なくありません。
しかし病気になったということは和金の体力が落ちいてるのは間違いないので、どうして体力が落ちてしまったのかを考える必要があります。
飼育をしていれば体調管理は飼い主さんの役目ですので、少しでも長く飼育するために日頃から注意を払ってあげて下さい。
