和金や金魚がかかる病気の中でも特に注意しなければいけないのは、「転覆病」という病気です。

この病気はその名前の通り、金魚や和金がお腹を上にした状態のままで元に戻れなくなり、そのままにしておくと大変な事態を招く病気です。

今回はこの「転覆病」についてご紹介しますので、もしも飼育している金魚や和金がこの病気にかかってしまったら、対策法の一つとして参考にしてみて下さい。

転覆病の症状

金魚 和金 転覆病

金魚や和金は時折、水中で横向きやお腹を上にしたまま泳いでいることがありますが、直ぐに元の状態に戻ってくれれば問題はありません。

ところが転覆病を発症すると、常に横向きやお腹を上にした状態となり、元に戻らなくなってしまいます

この転覆病が進行すると金魚や和金は少しずつ水面に向かって浮上するようになり、完全に水面からお腹が出てしまうと危険です。

水中で生育している魚類は一部の例外を除いて呼吸が困難になるだけでなく、水に触れていない部分が爛れて人間で言うやけどを負っていることと同じになってしまいます。

転覆病は金魚がかかりやすく和金はかかりにくいとされていますが、決して発症しないわけではないので、お腹を下向きにした状態で泳がなくなったら注意する必要があります。

転覆病になる原因

この転覆病は原因が今でもよく分からない病気であり、お腹を上にするのは体内にある浮袋のバランスが崩れてしまっているからですが、その理由ははっきりしていません。

金魚や和金は体の中に浮袋を持っていて、その浮袋の中に水を入れることで潜水した状態を保っていけるのですが、転覆病になるとこの水を浮袋に溜め込むことができなくなるためにお腹の浮袋に空気が溜まり、お腹を上にしたままになってしまうのです。

浮袋のバランスが元の状態に戻れば回復するのですが、原因が分からないので対処が難しいというのが現実です。

原因ではないかと考えられているのは、金魚や和金は「泡食い」という水泡を餌と勘違いして食べてしまう行為をするので、それによって空気が体内に入って排出できなくなってしまった可能性もあります。

他にも水質の悪化やストレスによる体調不良も要因と考えられていますが、どれも決定的な原因にはなっていないので、この転覆病は飼い主さんにとって飼育をする上で悩ます病気になっています。

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転覆病になった場合の対策

転覆病は原因不明の難病ですが、初期であればほとんどが自然治癒をしてくれるのですが、好転しないようであれば水温を30℃になるまで少しずつ上げてやると、回復することがあります

この転覆病は根本となる原因が解明されていないので、薬剤を使用すると適合しなくて余計に体調を崩す可能性が出てくるので、現在はストレスを与えないようにして最大限に自然治癒能力を高めるのが唯一の対策となります。

また多頭飼いをしていて水槽内の多くの金魚や和金が転覆病を発症するとウィルスが原因とも考えられるため、ウィルス性の場合は混泳をすると他の金魚や和金にも感染してしまうので、別の水槽で個別に飼育するようにして下さい。

一斉に転覆病を発症した場合には水温を35℃にして4日間ほど飼育すると改善する可能性がありますが、一度でもウィルス性の転覆病を発症するとウイルスのキャリアとなってしまうので、直っても以後は健康な金魚や和金と混泳させないようにして下さい。

まとめ

転覆病は原因がわからないので完治させるのは困難な病気です。

効果についてははっきりしませんが、予防には水質の改善と適温での飼育が有効になっているので、それに加えてストレスを与えないような環境作りを与えるように飼い主さんは努めて下さい。

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